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この年まで男がいないと、最早中二病小説でいうところの
「真名を知られれば、この命・・・」っつーくらいに、
自分の男性経験について語りたくありません。
そうなってくると、ひたすら沈黙を守ります。沈黙は金なりって言うだろ。
イエスノーで答えなくちゃいけない時は、割と素直に答えます。
「彼氏いるの?」「ううん」
「彼氏どんな人だった?」「えーw」
「彼氏・・・」「ウヒャヒャ」
察しがいい人はなんとなく分かってくれますが、
OLっていうのは恋愛お化けみたいなやつばっかりで、
この世にそんな可哀想な奴がいることを頭から信じてない場合があります。
そうすると、稀に色々妄想を膨らませてきて
「ふみちゃん、不倫したことある?」
「ふみちゃん、そのお財布、もしかしておじさんに買ってもらった?」
などと、頭上を旋回して戻ってきたようなことを聞かれたりします。
そんなわけで適当に話を合わせているうちに、
モグリの医者のごとく、モグリの恋愛相談などを
ついうっかり引き受けてしまうことがあります。
東京の二十代のOLのランチの世間話なんて
上司か彼氏の愚痴か惚気しか最早ないのです。
ある時、彼氏持ちの友達が
「実は東海支店の名古屋さん(仮名)がしつこくて・・・」と相談してきました。
彼女は25歳、名古屋さんは26歳です。
年が近いこともあり、名古屋さんとは時々みんなで飲む仲。
私は彼女に素敵な彼氏がいることを知っていたので
「えっ、名古屋さんから連絡くるの?」と心配になりました。
そうなの、それで名古屋さんが遊びにいこう、デートしようって
けっこう言ってくるんだよ~と彼女。
ますます心配になった私が「何それ、気持ち悪い。大丈夫?」と言ったところ、
彼女が言ったのが「でも、名古屋さんすごく面白くて~」でした。
え? となったのですが、つまりまんざらじゃねえと言うわけなのです。
名古屋さんがしつこいとか、名古屋さんがうざいとかではなく、
男の人から熱烈にアプローチされてちょっと嬉しい、ということを
彼女は言いたかったというわけ。
この時に、私は「ああ、自分は女心のことを全く分かってないんだ・・・」と
愕然としたのを覚えています。
私はオタクです。オタクっていうのは一般の人からすると
自分の趣味に没頭してる人と思われていることでしょう。合ってます。
私は自分の趣味に没頭して、ほもの小説などをせっせと書き続けていたのですが、
その時まで自分は、「人の心の機微を書く」ことに非常に頑張っていたわけです。
正直、こんなにはまれるものがないなんて、世の中の女子たちってやつは・・・
くらいに高みから何故か思っていたかもしれません。
でも彼女の恋愛相談を聞いていたときに、
「不平に隠された惚気や自慢」という、女の子ならだれでも使ってしまう、
当たり前のアイテムに全く気付くことができなかったのです。
この時に、「自分って世間知らずで、なんか分かってねえんだな~」と
強く自覚をしてしまったのです。
そして女とはなんと罪深い生き物でありましょう。
それからは、「でもときめいたんだろ?」などと、
どこの乙女ゲーの王子様キャラなんだお前はという返答を入れることが
できるようになりました。
それでも、今でも「あの時は親友と言えどもすげえイラついたな」
という記憶とともに、自分の鈍感さを思い知るのでした。